ビットコイン(BTC)は、インターネット上だけで動くデジタルなお金です。世界中どこへでも数分で送れる点や、全部で 2,100 万枚しかつくれない希少性から、「デジタル・ゴールド」と呼ばれることもあります。
けれども値動きは激しく、「これから買っていいの?」「すでに持っているけれどどうすればいい?」と迷う人が多いのも事実です。
この記事では、半減期や米国現物 ETF といった最新ニュースをもとに、ビットコインの将来価格を解説しつつ、初心者と保有者の両方に向けた行動ポイントを紹介します。
ビットコインとは?
ビットコインは銀行や政府を介さず、ユーザー同士で直接やり取りできる暗号資産です。
ブロックチェーンという技術で取引の履歴をすべて記録しているため、改ざんしにくく高い安全性があります。
また、発行総量が決まっているので、長い目で見ると「数が限られている=価値が守られやすい」と考える人が増えています。
価格が動く3つのポイント
半減期による供給減少
半減期とは、ビットコインの新規発行枚数(マイナー報酬)が4年ごとに半分になるイベントです。最新の半減期は 2024 年 4 月に起こり、1ブロック当たりの報酬が 6.25 BTC から 3.125 BTC に減りました。
新しく市場に出るコインが一夜にして 50% 減ったため、売りに出る量が少なくなるというわけです。
ETF 流入による需要増加
2024 年、アメリカで「ビットコイン現物 ETF」が承認されました。
ETF は株式のように証券口座で買えるため、年金基金や保険会社などの大口資金が入りやすくなります。
半年ほどで約 150 億ドル(約 2 兆 2,500 億円)が流れ込み、買い手が一気に増えました。
金利と規制という外的要因
アメリカの中央銀行(FRB)が金利を下げると、銀行預金や国債の利息が減ります。
すると「ほかで価値を守りたい」という動きが強まり、ビットコインが注目されやすくなります。
一方で各国の規制が厳しくなると、取引がしづらくなり価格が落ち込むこともあります。
2025 年末までの価格シナリオ
以下の3つは代表的な想定であり、あくまで予測です。
※レートは 1 USD=150 円で計算しています。
シナリオ | 起こりそうなこと | 価格 (USD) | 価格 (円) |
---|---|---|---|
強気 | 金利が大きく下がり、ETF にさらに資金が入る | 150,000〜180,000 | 約 2,250〜2,700 万円 |
中立 | 金利はゆっくり下がり、ETF 流入は安定 | 90,000〜110,000 | 約 1,350〜1,650 万円 |
弱気 | 景気悪化と規制強化が重なる | 40,000〜55,000 | 約 600〜825 万円 |
数字は 40,000 USD(約 600 万円)から 180,000 USD(約 2,700 万円)までと幅が広く、上下どちらにも大きく振れる可能性があります。
これから買う人へのアドバイス
少しずつ買ってリスクを分散する
ビットコインは 0.0001 枚などの小口でも購入できます。
毎月または毎週、同じ金額をコツコツ買う「分割購入」を続けると、短期的な値動きの影響を小さくできます。
自分で保管する方法を学ぶ
取引所は便利ですが、ハッキングのニュースもあります。
ハードウェアウォレットなど自己管理の仕組みを早めに習得すると、大切なコインを守りやすくなります。
税金を忘れずメモを残す
日本ではビットコインで得た利益は「雑所得」です。
確定申告が必要になるケースが多いので、取引ごとに損益を記録し、税金の準備をしておくことが大切です。
すでに保有している人へのポイント
利益が出たら一部を現金化しておく
値上がり益が大きくなるほど、下落時の損失も大きく感じます。
定期的に円や他の資産に振り分け、全体のバランスを整えましょう。
高利回りサービスには慎重になる
「年利 10%超」をうたうレンディングやステーキングは、貸付先が倒産すると元本が戻らない恐れがあります。
利回りとリスクを必ず天秤にかけて判断してください。
オンチェーンデータで売り圧をチェック
大口保有者(クジラ)やマイナーの送金量が急増すると、短期的に売りが出るサインになる場合があります。
無料の分析サイトを活用し、数字で冷静に判断しましょう。
Glassnode
Glassnodeは、暗号資産のオンチェーンデータを詳しく分析できるプラットフォームです。基本機能は無料で提供されており、ビットコインのネットワーク活動やアドレスの動き、クジラの動向などを視覚的に確認できます。
Blockchain.com Explorer
Blockchain.comのエクスプローラーは、ビットコインの取引履歴やアドレスの詳細を確認できるシンプルなツールです。特定のアドレスの送金履歴を追跡することで、大口保有者(クジラ)の動きを把握するのに役立ちます。
リスクと注意点
- 地政学リスクや自然災害が起こると、世界の金融市場が動揺し、ビットコインも大きく下がることがあります。
- 円安・円高の影響により、ドル建て価格が同じでも円建てでは大きく変わる場合があります。
- アルトコインに資金が流れると、ビットコインが思ったほど伸びない時期もあります。分散投資を考える際は、それぞれのプロジェクトの実力とリスクを確認しましょう。
未来へ踏み出すためのロードマップ
ビットコインは、供給が減り需要が増えるという長期的な追い風を受けています。
しかし、マクロ経済や規制、突発的なニュースで価格が上下に大きく動くことも避けられません。
2025 年末に 100,000 USD(約 1,500 万円)前後を目指す可能性がある一方、弱気シナリオでは半値以下になるリスクもあります。
だからこそ、
- 無理のない金額で少しずつ買う
- 自分で安全に保管する
- 利益が出たらリバランスする
の3点を徹底すれば、大きな失敗を減らしながら長期的な資産形成を目指せます。
ビットコインとうまく付き合い、自分の未来を少しずつ豊かにしていきましょう。