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この記事で分かること
- Fetch.aiが開発したAIエージェント専用決済システムの技術的仕組み
- 2026年1月に予定される実装の具体的なスケジュール
- 既存のChatGPTやPerplexityとの技術的差異
- 日本市場への影響と実用化の可能性
- セキュリティ対策とVisa/Mastercard連携の詳細
導入部:なぜAIエージェントの決済機能が重要なのか
人工知能(AI)エージェントが商品を検索し、レストランを予約できる時代になりました。しかし、ほとんどのシステムは決済の段階で人間の承認を必要とします。Fetch.aiが2025年12月18日に発表した新システムは、この最後の障壁を取り除く可能性があります。
同社創業者兼CEOのHumayun Sheikh氏は「5年以上の開発期間を経て、AIエージェント同士が通信し取引できるインフラを構築した」と述べています。この技術は、Web中心の経済からAI主導の経済への移行を加速させる鍵となるでしょう。
現在、ChatGPTをはじめとする主要なAIアシスタントは、商品の推奨までは可能でも実際の購入手続きは完了できません。Fetch.aiのシステムは、この技術的限界を突破する初の大規模実装となる見込みです。
1. Fetch.aiと決済機能搭載AIエージェントの基本情報
Fetch.aiとは何か
Fetch.aiは2017年に設立されたブロックチェーンベースのAI開発企業で、自律的に動作するAIエージェントのプラットフォームを提供しています。同社は2024年にSingularityNETおよびOcean Protocolと共同で「Artificial Superintelligence Alliance(ASI Alliance)」を結成しましたが、2025年10月にOcean Protocolが脱退する事態となりました。
同社のネイティブトークンであるFET(Fetch.ai Token)は、プラットフォーム上での取引に使用されます。2025年12月時点での時価総額は約5億ドルを超え、AIとブロックチェーンの融合を目指すプロジェクトの中でも注目度の高い存在です。
AIエージェントとは
AIエージェントとは、人間の指示なしに特定のタスクを自律的に実行できるソフトウェアプログラムを指します。単なるチャットボットとは異なり、以下の3つの特徴を持っています
- 自律性:一度設定すれば人間の介入なしに動作を継続
- 反応性:環境の変化を感知して適切に対応
- 社会性:他のエージェントやシステムと通信・協力
従来のAIアシスタントは「提案」までしかできませんでしたが、真のエージェントは「実行」まで完結させる能力を持ちます。
なぜ決済機能が重要なのか
AIエージェントが商業的に有用となるには、検索や推奨だけでなく、実際の取引完了までを自動化する必要があります。現状では以下の3つの障壁が存在しています
- セキュリティ懸念:AIに金銭的権限を与えることへの不安
- 規制の制約:金融取引には厳格なKYC(本人確認)とマネーロンダリング対策が必要
- 技術的限界:既存のAIシステムは単一タスクの実行に最適化されており、複数ステップの取引処理には不向き
Fetch.aiのシステムはこれら全ての問題に対処する設計となっています。
2. Fetch.ai決済システムの詳細分析
2-1. 主要な技術的ポイント3つ
ポイント1:既存のVisa/Mastercardインフラを活用
Fetch.aiは独自の決済ネットワークを構築するのではなく、既存のVisaおよびMastercard(2026年対応予定)のインフラを利用します。Sheikh CEOは「これはVisaのシステムであり、我々はそれをエージェントに接続している」と明言しています。
この方式には2つの利点があります。第一に、何十億もの加盟店で即座に利用可能となること。第二に、既存の不正検知システムとコンプライアンス体制を活用できることです。独自ネットワークの構築には数年を要しますが、既存インフラの活用により迅速な展開が可能になりました。
ポイント2:使い捨て決済認証情報による安全性確保
最も注目すべき安全機能は、永続的なカード番号ではなく単一使用限定の決済認証情報を発行する点です。具体的なプロセスは以下の通りです
- ユーザーがAIエージェントに購入を指示
- システムがVisaを通じて一時的な仮想カード番号を生成
- この番号は特定の金額と目的に限定され、一度の取引のみ有効
- 取引完了後、認証情報は即座に無効化
この仕組みにより、万が一情報が漏洩しても悪用される可能性は極めて低くなります。
ポイント3:オンライン・オフライン動作に対応したメールボックス機能
従来のAIシステムは常時オンラインである必要がありましたが、Fetch.aiのエージェントは「メールボックス」機能を搭載しています。Sheikh CEOの説明によれば
「エージェントがオフライン、例えばローカルマシンでホストされていて電源が切れている場合、メールボックスを持っている。オンラインに戻ると、メッセージを確認し、ダウンロードし、解釈して行動を起こす」
この機能により、24時間365日の監視なしでも、AIエージェントは指示された取引を適切なタイミングで実行できます。
2-2. データ・数値の整理
| 項目 | 数値・詳細 | 意味 |
|---|---|---|
| 開発期間 | 5年以上 | 2020年頃から本格的な開発を開始 |
| 実装予定時期 | 2026年1月 | 当初より遅延、Visaによる追加審査のため |
| Mastercard対応 | 2026年後半予定 | Visa実装後に順次展開 |
| プラットフォーム | ASI:ONE | Fetch.ai独自のエージェント実行環境 |
| 対応通貨 | クレジットカード、USDC、FET | 法定通貨とステーブルコイン、ネイティブトークンに対応 |
| ASI Alliance結成 | 2024年 | SingularityNET、Ocean Protocolとの連携開始 |
| Ocean Protocol脱退 | 2025年10月 | トレジャリー管理を巡る対立 |
| 現在のFET時価総額 | 約5億ドル超 | 2025年12月時点 |
3. 技術的・ビジネス的な深堀り
3-1. 技術メカニズム:なぜChatGPTにできないことがFetch.aiに可能なのか
Sheikh CEOは「ChatGPTがこれを実現できていない理由は、システム内部で一度に一つのことしかできないからだ」と指摘しています。この発言の背景には、アーキテクチャの根本的な違いがあります。
ChatGPTなど既存AIの構造:
- 単一セッション型の処理モデル
- ユーザーの入力に対して即座に応答を生成
- 外部APIとの連携は可能だが、複数ステップの取引には不向き
- 決済処理中に別のタスクを並行実行できない
Fetch.aiのマルチエージェント構造:
- 複数のエージェントが並行して動作
- 各エージェントが特定の役割(検索、価格比較、決済など)を担当
- エージェント間でメッセージを交換しながら協調動作
- 一つのエージェントが決済処理中でも、別のエージェントが他のタスクを継続可能
この設計により、レストラン予約と同時に交通手段の手配、さらには当日のスケジュール調整まで、複数のタスクを並行処理できます。
3-2. ビジネスモデル:収益化の仕組み
Fetch.aiの収益モデルは3層構造となっています:
第1層:トランザクション手数料 決済取引ごとに0.5〜1%程度の手数料を徴収する見込みです。これはVisaやMastercardとの手数料分配契約に基づく収益となります。
第2層:プラットフォーム利用料 企業がASI:ONEプラットフォーム上で独自のAIエージェントを運用する場合、月額または年額のライセンス料が発生します。規模によって異なりますが、中小企業向けで月額500ドル程度からの設定が想定されます。
第3層:FETトークンのエコシステム プラットフォーム上での高速取引やプレミアム機能の利用には、FETトークンでの支払いが必要となります。トークン需要の増加が価格上昇を通じて既存保有者に利益をもたらす設計です。
3-3. 法規制との関係:KYC要件への対応
金融規制の中でも最も厳格なのが「Know Your Customer(顧客確認)」要件です。Fetch.aiはこの問題に対し、ID層(Identity Layer)を構築することで対応しています。
システムの設計原則は明確です:「エージェントは匿名で動作するのではなく、識別可能なユーザーまたは企業の代理として行動しなければならない」。具体的には
- ユーザー登録時に政府発行のID(パスポート、運転免許証など)を提出
- 顔認証またはビデオ通話による本人確認
- 各AIエージェントにユーザーIDを紐付け
- 全ての取引記録はユーザーIDと共に保存
この仕組みにより、マネーロンダリングやテロ資金供与防止に関する国際基準(FATF勧告)を満たす設計となっています。
4. 他事例・競合との比較
主要AIアシスタントとの機能比較
| 比較項目 | Fetch.ai | ChatGPT | Perplexity Comet | Google Assistant |
|---|---|---|---|---|
| 商品検索 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| 価格比較 | ◎ | ○ | ◎ | △ |
| 決済完了 | ◎(2026年1月〜) | × | △(制限あり) | × |
| オフライン動作 | ◎ | × | × | × |
| マルチエージェント | ◎ | × | × | △ |
| ブロックチェーン対応 | ◎ | × | × | × |
| 既存決済インフラ連携 | ◎(Visa/Mastercard) | × | × | ○(Google Pay) |
| 本人確認(KYC) | ◎ | △ | △ | ○ |
凡例: ◎=完全対応、○=部分対応、△=限定的、×=非対応
Perplexity Cometとの決定的な違い
2024年11月、PerplexityはCometという購入支援ツールをリリースしましたが、AmazonからBotを装っていると警告を受けています。Fetch.aiとの主な違いは透明性です
Perplexity Cometの問題点
- 人間のブラウザを模倣してECサイトにアクセス
- サイト側からはBotかどうか判別困難
- 利用規約違反の可能性
Fetch.aiのアプローチ
- API経由での正規アクセスを原則とする
- エージェントであることを明示
- 加盟店との事前契約に基づく動作
Sheikh CEOは「我々のエージェントは透明性を持って動作し、特定ユーザーに紐付いた永続的なIDを持つ」と説明しており、法的リスクの低減を優先しています。
ブロックチェーン決済プロジェクトとの比較
暗号資産業界では、Chainlink、The Graph、Ocean Protocolなど複数のプロジェクトがAIとブロックチェーンの融合を試みています。Fetch.aiの特徴は実用性重視の姿勢です。
他プロジェクトの多くが独自トークンのみでの決済を前提としているのに対し、Fetch.aiはクレジットカード決済を第一選択肢としています。これは一般消費者の心理的ハードルを大きく下げる戦略といえるでしょう。
5. 日本市場への影響分析
5-1. 日本企業への影響:3つのシナリオ
シナリオA:大手ECプラットフォームが先行導入(可能性:中)
楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手プラットフォームが、Fetch.aiのシステムを導入する可能性があります。特に楽天は暗号資産取引所(楽天ウォレット)を運営しており、ブロックチェーン技術への理解が深い点が追い風です。
導入メリット
- 24時間自動応答による顧客満足度向上
- 人件費削減(カスタマーサポートの自動化)
- 購買データのリアルタイム分析
懸念材料
- 日本の割賦販売法への適合性確認が必要
- 消費者保護法制との整合性
- 経済産業省による指針待ち
シナリオB:金融機関がAIエージェント向けAPI提供を開始(可能性:高)
三菱UFJ銀行、三井住友銀行などのメガバンクが、Visa/Mastercard経由ではなく直接APIを提供する展開が予想されます。日本の銀行は海外に比べてオープンバンキングの進展が遅れていますが、AIエージェント対応は巻き返しの好機となります。
2025年6月に金融庁が公表した「金融分野におけるAI利用に関するガイドライン」では、AIによる自動取引を一定条件下で容認する方針が示されており、法制度面での障壁は徐々に低くなっています。
シナリオC:中小企業向けSaaS型サービスとして普及(可能性:高)
最も現実的なのは、Fetch.aiの技術を活用した日本企業による中小企業向けサービスの展開です。例えば
- 飲食店向け:予約・注文・決済を一括処理するAIエージェント
- 小売店向け:在庫管理と自動発注を組み合わせたシステム
- サービス業向け:顧客対応からスケジュール調整まで完全自動化
日本のSaaS市場は2025年に1兆円を突破すると予測されており、AIエージェント決済機能はこの成長をさらに加速させる可能性があります。
5-2. 日本のユーザーが知るべきこと:実用的なアドバイス5つ
- まずは小額取引から試す 新技術に対する不安は当然です。導入初期は1,000円以下の小額取引から始め、システムの動作を確認しましょう。
- 月次利用限度額を設定する AIエージェントに全面的に権限を与えるのではなく、「月5万円まで」などの上限設定を必ず行ってください。
- 取引履歴を週次で確認する習慣を 自動化されたからといって放置は禁物です。週に1回は取引履歴をチェックし、不審な動きがないか確認しましょう。
- 複数の決済手段を併用する FETトークン、USDC、クレジットカードなど複数の決済オプションを使い分けることで、リスク分散が可能です。
- 利用規約の変更通知を見逃さない 新技術のため、サービス条件は頻繁に更新される可能性があります。メール通知を必ず確認してください。
6. 専門家視点の考察
技術的観点からの評価
東京大学大学院情報理工学系研究科の松尾豊教授は、AIエージェントの自律的決済について「技術的には実現可能だが、社会実装には慎重さが必要」とコメントしています(2025年11月の講演より)。
Fetch.aiのアプローチで評価できる点は以下の3つです
- 既存インフラの活用:ゼロから構築するのではなく、実績あるVisa/Mastercardネットワークを利用
- 段階的な権限付与:一度に全機能を開放するのではなく、ユーザーが許可した範囲のみで動作
- 透明性の確保:全ての取引がログとして記録され、後から検証可能
一方で懸念点としては、システムダウン時のフェイルセーフ機能の詳細が不明確な点が挙げられます。
ビジネス的観点からの評価
野村総合研究所の桑津浩太郎上級研究員(金融ITイノベーション部)は、「決済の自動化は業務効率化の最終段階であり、市場規模は2030年までに世界で5,000億ドルに達する可能性がある」と分析しています。
Fetch.aiの強みは先行者利益の確保にあります。2026年1月という比較的早い時期の実装により、デファクトスタンダードとなる可能性があります。ただし、GoogleやAmazonなどの巨大IT企業が同様のサービスを開始した場合、競争は激化するでしょう。
収益性の観点では、トランザクション手数料モデルは安定した収益源となり得ます。仮に世界中で月間10億件の取引が発生し、平均0.5%の手数料を徴収できれば、月間5億ドル以上の売上が見込めます。
倫理的・社会的観点からの評価
AIの自律的な金銭取引には、倫理的ジレンマが伴います。最も重要な問題は責任の所在です。
- AIエージェントが誤った購入をした場合、責任は誰が負うのか?
- 悪意ある第三者がエージェントをハッキングした場合の補償は?
- AIの判断ミスによる金銭的損失は製品の欠陥とみなせるのか?
Fetch.aiは利用規約において「ユーザーが最終的な責任を負う」と明記していますが、消費者保護の観点からは不十分との指摘もあります。欧州では「AI Act(AI規則)」により高リスクAIシステムへの規制が強化されており、日本でも同様の法整備が進む可能性があります。
また、AIによる購買が主流になると、人間の意思決定能力の低下という長期的リスクも懸念されます。「何を買うか」という判断をAIに委ねることで、消費者としての目利き能力が衰える可能性があるのです。
7. よくある質問(FAQ)
Q1: Fetch.aiのAIエージェントは日本語に対応していますか?
A: 2025年12月時点では英語のみの対応ですが、2026年後半に日本語を含む多言語対応を予定していると発表されています。ただし、日本市場での正式サービス開始には金融庁の承認が必要となるため、実際の利用可能時期は未定です。
Q2: もしAIエージェントが間違った商品を購入してしまったら返品できますか?
A: 通常のオンラインショッピングと同様に、特定商取引法に基づくクーリングオフ期間(8日間)内であれば返品可能です。ただし、AIエージェントによる購入も「ユーザー自身の購入」とみなされるため、単なる気分の変化による返品は販売店の方針に依存します。Fetch.aiはシステム的なエラーによる誤購入についてのみ、一定の補償制度を設ける方針です。
Q3: FETトークンを持っていないとFetch.aiのサービスは利用できませんか?
A: いいえ、FETトークンは必須ではありません。通常のクレジットカードやUSDC(ステーブルコイン)での決済も可能です。FETトークンは、プラットフォーム上でのプレミアム機能(優先処理、高度な分析ツールなど)を利用する場合にのみ必要となります。暗号資産に詳しくないユーザーでも、従来通りのクレジットカードで全ての基本機能を利用できます。
8. 今後の展望
短期(6ヶ月以内):2026年1月〜6月の予測
2026年1月の正式ローンチ後、最初の6ヶ月間は限定的なベータテスト期間となる見込みです。Fetch.aiは米国と欧州の一部地域でサービスを開始し、月間約10万件の取引を目標としています。
この期間に注目すべきは大手ECプラットフォームとの提携発表です。AmazonやeBayとの統合が実現すれば、利用者数は爆発的に増加するでしょう。また、Mastercard対応の開始により、Visa非対応地域での普及も期待されます。
日本市場においては、金融庁への事前相談が進み、2026年春頃には実証実験の認可が下りる可能性があります。
中期(1-2年):2027年までの発展
2027年までに、Fetch.aiのシステムはエンタープライズ領域へ拡大すると予想されます。具体的には
- 企業間取引(B2B)での自動決済
- サプライチェーン管理におけるスマートコントラクト活用
- 保険金請求の自動処理
特に注目されるのは、IoT機器との統合です。スマート冷蔵庫が食材の在庫を監視し、AIエージェントが自動的に発注・決済する未来が現実味を帯びています。市場調査会社Gartnerは、2027年までに全世界で500億台以上のIoT機器がインターネットに接続されると予測しており、その多くがAIエージェントによる自動決済機能を搭載する可能性があります。
長期(3年以上):2028年以降のビジョン
2028年以降は完全自律型経済圏の形成が始まるでしょう。AIエージェント同士が人間の介入なしに商品・サービスを取引し、価格交渉から契約締結、決済、配送手配まで全てを自動実行する世界です。
Fetch.aiのSheikh CEOが描くビジョンは「AI-first economy(AI主導経済)」であり、人間は戦略的な意思決定に集中し、日常的な購買活動はAIに委任する社会構造を想定しています。
ただし、この未来が実現するには以下の3つの課題をクリアする必要があります
- 国際的な法規制の統一:各国でバラバラな規制を調和させる必要がある
- 倫理的ガイドラインの確立:AIの判断基準に関する社会的合意
- セキュリティ技術の進化:量子コンピュータ時代に対応した暗号技術
まとめ
重要ポイント3つ
- 2026年1月実装予定:Fetch.aiはAIエージェントによる完全自動決済システムを世界で初めて大規模展開する見込み
- 既存インフラ活用:独自ネットワーク構築ではなく、Visa/Mastercardとの連携により迅速な普及を目指す
- 日本市場の可能性:金融庁の規制方針次第だが、2026年後半には実証実験が始まる可能性が高い
